オランダで中古車を個人売買で買ってみた|町工場ガレージとAPK(車検)のリアル
公開: 2026-08-10
免許を取った次は、車の購入です。うちが選んだのは、なんと走行距離26万5,000kmの中古車を個人売買で買うという、初心者にしてはなかなか攻めたルートでした。
結果的にこの選択は正解だったと思っています。この記事では、購入時のチェックポイントから、デン・ハーグの町工場ガレージ事情、オランダの車検「APK」まで、実体験ベースでお話しします。
26万kmの中古車を個人売買で購入
うちが2023年に買ったのは、2012年式・当時26万5,000km走行のフォードのステーションワゴン。個人売買です。
初めての車購入、しかも個人売買なので、正直「賭け」みたいなところはありました。メンテナンス状況もよくわからないし、何を確認すればいいのかもわからない。
それでも、日本で運転していた私の経験でチェックしたのはこのあたりです。
- タイヤとエンジンの状態
- 試乗して、クラッチとブレーキの踏み具合
- ハンドル(ステアリング)の硬さ
価格交渉もしました。先方の希望は€5,800。こちらは€5,000を提示して、最終的に€5,400あたりで着地。適正価格だったのかは今もわかりませんが(笑)、前のオーナーさんがメンテナンスをしっかりする方だったようで、年式のわりに乗りやすい車でした。行きつけのガレージまで親切に教えてくれたのも、あとあと効いてきます。
1台目は「ぶつけてへこむ前提」で選んだのもポイント。案の定、擦り傷もへこみもできましたが、精神的ダメージは少ないです。
デン・ハーグの町工場ガレージ事情
デン・ハーグには、Hollands Spoor(HS)駅から南へ少し行ったフライトウェッハ(Fruitweg)の工業地帯に、自動車修理工場がぎゅっと密集しているエリアがあります。ラーク運河沿いの、多国籍な昔ながらの町工場の世界です。
Hollands Spoor駅の南側、ラーク運河(Laakkanaal)沿いのエリア。この一帯に自動車修理工場が集まっています
もともとは1932年にできた青果の卸売市場があった場所で、地区名も「Groente- en Fruitmarkt(青果市場)」。1950年代に工業地区として整備されたときに、通りの名前が当時の最先端技術から取られたそうで、テレビ通り(Televisiestraat)、レーダー通り(Radarstraat)、テレックス通り(Telexstraat)といった名前が今も残っています。
うちは前オーナーの行きつけだったガレージにそのまま通っています。前のオーナーさんはトルコ系の方で、紹介してくれた整備工さんも同じくトルコ系。初めて持ち込んだとき、開口一番「この車のことなら何でも知ってるよ」。実際、前オーナーの代からずっと面倒を見てきた車なので、こちらが説明する前に話が通じます。車の履歴ごと引き継げるというのは、中古車では思っていた以上に大きなメリットでした。
その整備工さんいわく、この車は過去にエンジンを載せ替えているとのこと。前オーナーさんも同じことを言っていました。ただ、それを証明する書類は残っていないので、本当のところは分かりません(エンジンには2023年のシールが貼ってあるものの、整備日なのか交換日なのかも不明)。個人売買では、「聞いた話」と「書類で確認できること」は分けて考えたほうがいい、という教訓です。
ただし料金まわりは本当に町工場。料金表はなし、支払いは現金、何を頼んでも「だいたい€200」と言われます。適正価格はいまだにわかりません(笑)。でも対応は早くて、問題があればすぐ持ち込めて、1〜2日で直してくれます。
APK(オランダの車検)はどんな感じ?
オランダには日本の車検にあたるAPKがあります。受ける頻度は車の年式や燃料で変わり、新しい車ほど間隔が空きます。うちの車は買った時点ですでに10年を超えていたので、毎年APK。検査料はディーゼル車だと少し高めで、うちは1回€80台でした。
日本の車検と比べて驚くのは、その「ざっくり感」。体感では10〜20分で終わりそうな確認で、正直かなりザルな印象です。
面白い経験を2つ。
その1:ディーラーでAPKを受けたら€700に。 一度、ビンクホルスト(Binckhorst)地区の正規ディーラーでAPKを受けたのですが、APK自体は安いのに、保守メンテナンスをいろいろ乗せられて合計€700ほどかかりました。全体をきちんと見てもらえた安心感はありますが、お財布へのダメージは大きい。
その2:町工場エリアなら「不合格→修理→合格」が爆速。 今年はフライトウェッハ工業地帯のAPK業者で受けたところ(€80台)、ブレーキ周りの固着が見つかって「すぐには通せない」と言われました。どうしたものかと思ったら、同じエリアのガレージに持ち込んだら1〜2日で修理完了、しかもそのままAPKまで通してくれました。ガレージが密集しているからこそ、問題発覚→即修理→即再検査がスムーズに回るようです。
おまけ:初心者時代のヒヤリ話
乗り始めの頃は失敗もたくさんありました。
ナビのタイミングに慣れず、デルフトの先のバーガーキングに行くだけのつもりが高速の出口を降り損ね、夜の工事ポールだらけの道をロッテルダム空港の近くまで。妊娠7ヶ月の私を乗せて、結局2時間かけて帰ってきました。いわく「マリオカート状態」。
サイドブレーキをかけたまま走っていたこともあります。皆さんはお気をつけて。
そして、オランダの運転で最初にいちばん手こずったのがターボラウンドアバウト(turborotonde)。ぐるぐる回る環状交差点なのですが、進入する前から車線が渦巻き状に分かれていて、「どの車線に入れば目的の出口に出られるのか」が分からない。しかも車線の境目が段差で仕切られているので、うっかり違う車線に入ると、環状の中で直すのはほぼ不可能です(運が良ければもう1周回ってやり直せます)。
ラウンドアバウトを出た先が自転車専用道だったこともあります。オランダは自転車の道が車道と同じくらいしっかり整備されているので、慣れないうちは境目の判断が本当に難しい。
でも、これは声を大にして言いたいのですが、慣れます。乗り始めて1年も経つ頃には、ハーグの繁華街も、ユトレヒトやアムステルダムの運河沿いの人通りの多い細い道も、問題なく走れるようになりました。最初の数ヶ月さえ乗り越えれば大丈夫です。
ちなみにオランダの高速道路は基本的に無料(有料なのはウェステルスヘルデトンネルなど一部のトンネルだけ)。ちょっとした遠出でも気軽に高速に乗れるのは本当に快適です。
まとめ
- 個人売買はリスクもあるが、タイヤ・エンジン・試乗でのフィーリング確認は最低限やる価値あり
- 前オーナーの行きつけガレージを引き継ぐと、車の履歴込みで面倒を見てもらえる
- 「エンジンを載せ替えた」などの整備履歴は、書類が残っていなければ確認しようがない。口頭の情報は割り引いて考える
- APKは古い車だと毎年。町工場なら安いが、ディーラーはメンテ込みで高くなりがち
- 修理工場が密集しているエリアを知っておくと、いざというとき心強い
そんな相棒も、そろそろ買い替えを検討中。次は新車(?)の購入記も書けたらと思っています。
車関連の記事は他にもあります:オランダで車が故障!ANWBロードサービスに助けられた話/ペーパードライバー夫の運転免許体験記
※本記事は個人の体験談です。APKの制度や費用は変わることがあるので、最新情報は公式でご確認ください。