オランダのロードサービスANWB体験記|故障当日にその場で入会できた話と実際の料金
公開: 2026-07-31
オランダで車に乗っていると、いつかお世話になるかもしれないのがロードサービスのANWB。日本でいうJAFのような存在で、黄色い車で駆けつけてくれるWegenwacht(ヴェーヘンヴァハト)というサービスが有名です。
わが家はこの2年で2回、ANWBに助けてもらいました。しかも1回目は会員ですらなく、故障したその場で電話して入会するという緊急事態。この記事では、その2回の体験と、実際にいくらかかったのかを書きます。
ANWBのWegenwacht車両(Photo: Jean Housen, CC BY-SA 4.0, トリミングして使用)
ANWB(Wegenwacht)とは
ANWBはオランダの王立ツーリストクラブで、そのロードサービス部門がWegenwacht。車が故障したときに電話すると駆けつけて応急処置をしてくれる、日本のJAFにあたるサービスです。
※ ANWBは「王立」の称号を持っていますが、国の機関ではなく民間の会員組織で、会員約500万人を抱えるオランダ最大の協会です。正式名称は「王立オランダツーリストクラブ(Koninklijke Nederlandse Toeristenbond ANWB)」。ANWBの4文字は、1883年に自転車クラブとして始まった時代の名前「全オランダ自転車連盟(Algemeene Nederlandsche Wielrijders-Bond)」の頭文字に由来します。ロードサービスのWegenwachtは「wegen(道路)+wacht(見張り・番人)」で、直訳すると「道路の見張り番」。1946年に7人のパトロール隊員からスタートした歴史あるサービスです。
わが家が入っているのは「Wegenwacht Nederland Standaard」という国内向けの基本プラン。プランは複数あるので、詳細は公式サイト(anwb.nl)で確認してみてください。
1回目:夜のスキポール空港でバッテリー上がり(2025年3月)
最初の出会いは2025年3月。生後半年を過ぎたばかりの長女を連れて、3週間ほど日本に一時帰国したときのことでした。
荷物が多いので車でスキポール空港まで行き、車の預かりサービスを利用。空港でドライバーさんに車を渡すと、屋根付きの駐車場に停めておいてくれて、帰国時にはまた空港まで持ってきてくれる…はずでした。
帰りのフライトが着いたのは夜7時過ぎ。空港を出たのは8時台。ところが車が全然来ない。問い合わせると「エンジンがかからない」とのこと。業者のバンに乗せられて駐車場まで行ってみると、車は完全にバッテリーが上がった状態でした。
対応してくれたのは学生アルバイト風の若いスタッフたちで、どうにもできない様子。「預かってもらっている間に起きたことなんだから、そちらで何とかしてよ…」と思ってしまったのは、日本人的感覚かもしれません。そこにチームリーダーらしき人が来て、緊急対応してくれるところでどこか知らないか?と尋ねると「ANWBを呼べるよ」と教えてくれました。
そんな会話をしているとはつゆ知らず、私と娘は寒いからと従業員が使うプレハブ小屋の休憩室に入って暖を取らせてもらいました。
泣く娘を抱っこ紐であやし続けて、スタッフが入れ替わり立ち替わりご飯を食べたり飲み物を飲んだりしているのを横目に見ながら、少しの気まずさを感じていました。
挨拶を交わし「白湯かコーヒー飲む?」と毎回人が入れ替わるたびに聞いてくれて、それはそれはとてもありがたかったのだけど、毎回断るのも…ね。
1時間弱くらいいたと思います。こういう時ってとても時間が長く感じるんですよねー。
今思えば、荷物ちょっと置かせてもらうね、とか言って、多少寒くても少し外に出て散歩して戻るを繰り返すくらいのことはできそうなもんですが、当時は長時間のフライトで疲労困憊っていうのもあったのですが、スーツケース見てなきゃだし赤ちゃんも寒いだろうし〜と思ってて、良い暇つぶしが思いつかなかったわけです(白目)。
非会員でも、その場で電話入会できた
わが家はANWBの会員ではありませんでした。それでもオペレーターに電話すると、故障が起きたその場で入会すれば、そのまま応急処置に来てもらえるとのこと。通常の入会より割増料金にはなりますが、真っ暗な駐車場で赤ちゃんを抱えている身には、ありがたい仕組みでした。
夜9時半ごろ、私と娘は先にタクシーで帰宅。夫が残って対応を続け、10時過ぎにANWBの人が到着。ジャンプスタートでエンジンがかかり、なんとか車で帰ってきました。
私は家に着いた後、娘のミルクと寝かしつけを終えてソファにやっと座りました。夫がドアを開ける音がしたのが、それから20−30分後。
早かったね、と言うと「もー、むかつきすぎて、すっ飛ばして帰ってきた」と。気持ちわかるなーと思いつつ、事故しないで帰ってきてよかったよ、と焦った瞬間でした(笑)
しかし翌日、自宅で車を出そうと思ったら、・・・なんとまたエンジンがかからない(汗)え???
実は、あの空港帰りは「一度でもエンストしたら、もうエンジンはかからない」という綱渡り状態でした。えーーーっ!!こわい。 ※当時夫は度々エンストを起こしていたのです
結局一度も止まらずに帰れましたが、翌日になってじわじわと状況を認識することとなり、夫はかなりヒヤヒヤしたそうです。その後、ジャンプスターターを買ってなんとかエンジンをかけていつものガレージへ。バッテリーを交換してもらって、ようやく解決しました。
2回目:真夏のオーバーヒート(2026年夏)
2回目は2026年の夏。わが家の車は2024年1月から乗っている走行26万kmの中古車なのですが、32度の暑い日に、高速を降りたあたりでオーバーヒートの警告が出ました。
クーラーは効かなくなり、エンジンもどんどん弱っていく。ひとまず近くのショッピングセンターに停めて、その日は帰宅しました。
翌日、冷めたから大丈夫だろうと乗ってみると、すぐにまた警告音。今度はANWBに電話しました。会員になっていたので手続きはスムーズでしたが、混み合う日だったようで、待ち時間は90分以上。すぐ来てくれる日ばかりではない、というのは正直なところです。
来てもらって「ショッピングセンターの中は狭いから外へ出せる?」と言われ、近くの空き地へ移動して診てもらった結果、エンジンの冷却水がほぼ空になっていました。その場で2リットルほど補充してもらい、無事に走れるように。「本当に緊急のときは、水道水を入れても大丈夫だよ」と教えてもらったのは、ちょっとした発見でした。
その後ガレージで診てもらっても漏れは見つからず、原因は不明のまま。
さらにベークセ・ベルヘンのサファリパークに行った帰りにもまた警告が!
・・・そろそろ車の買い替えを考え始めようと話しました。 スペックが高くて苦楽を共にした愛着もあり、もう少し長く乗りたい気持ちもありますけど、安全第一ですからね(涙)
実際にかかった料金(請求書より)
手元の請求書から、実際に払った金額です。
- 故障当日のその場入会(2025年3月):合計 €249,75
- 年会費(Wegenwacht Nederland Standaard・1年分)€118,75
- 割増入会金(Verhoogd Inschrijfgeld)€131,00
- 2年目の更新(2026年度):€122,25/年
その場入会は割増入会金がかかるので、通常入会のほぼ倍。それでも「今まさに動かない車」を前にすれば、払う価値は十分ありました。なお、駆けつけ対応そのものに別途の請求はありませんでした。
料金はわが家の請求書時点(2025〜2026年)のもので、プランや年によって変わります。最新の料金は公式サイトでご確認ください。
まとめ
- ANWB(Wegenwacht)はオランダ版JAF。故障時に駆けつけて応急処置をしてくれる
- 非会員でも、故障のその場で電話入会できる(割増入会金あり)
- 混雑時は90分以上待つこともある
- 冷却水はガソリンスタンドに置いていないことが多い。緊急時は水道水でもOKと教わった
- 日本では任意保険にロードサービスが付いていることが多いですが、オランダの保険事情はわが家もまだ調べきれていません
オランダは中古車から車生活を始める人も多く、トラブルはつきもの。うちのように「入っていなくても当日入会できた」ケースもありますが、車に乗るなら最初から入っておくと安心だと思います。この記事は2026年8月時点の体験談なので、制度や料金の最新情報は公式でご確認を。