オランダの母子手帳と予防接種スケジュール実録|2024年生まれの長女と2026年生まれの長男でこんなに違う

公開: 2026-07-30

オランダで2024年に長女を、2026年に長男を出産しました。日本の友人によく聞かれるのが「オランダにも母子手帳ってあるの?」という質問。答えは「ある。しかも我が家には3種類ある」です。

この記事では、オランダ版母子手帳「Growth Guide」の話と、乳幼児検診(consultatiebureau)・予防接種のスケジュールを、長女と長男の実体験で紹介します。実は2人の間の2年で制度がいくつか変わっていて、比べてみると結構違いました。

※長男の検診・予防接種はまだ進行中なので、この記事は進むたびに追記・更新していきます(最終更新: 2026-07-30)。

オランダの母子手帳は2冊ある

写真がわが家の母子手帳一式。緑と青の3冊がオランダの母子手帳にあたる「Growth Guide(オランダ語では GroeiGids)」、手前が日本の母子手帳です。同じAges 0-4版でも、長女と長男とでは表紙のデザインが変わっていました。

1冊目は「Postnatal period」版。 長女のときは、産後ケアのkraamzorg(クラームゾルフ)さんが初日にこの冊子を持ってきてくれました。滞在してくれた1週間、赤ちゃんの成長の様子やその日の状況、授乳や沐浴のアドバイスまで、それはもう事細かに書き込んでくれます。冊子が手元にあったこともあって、私自身も生まれたばかりの頃のことをかなり事細かく記録していて、毎日ページが埋まっていくのを見るのが密かな楽しみでした。kraamzorgが何なのかはクラームゾルフ体験記に書いています。

ところが長男のとき、kraamzorgさんに「あの冊子は?」と聞いてみたら「それはやっていない」とのこと。代わりに記録はオンラインのプラットフォームに入力されていて、私はそこから見る形でした。長女のときはフリーランスの方、長男のときは会社の事業者だったので、kraamzorgによって(個人か会社かで)アプローチが違うのかもしれません。冊子が増えないのは少し寂しい気もしつつ、これも時代でしょうか。

2冊目は「Ages 0-4」版。 こちらは市から配布されるもので、0歳から4歳までの成長記録が子ども1人につき1冊に集約されます。うちは2人ともハーグ生まれなので、どちらもハーグで配布されたものです。

このAges 0-4版は、consultatiebureau(乳幼児検診センター)の検診に毎回必ず持っていきます。検診の予約も予防接種の記録も、ぜんぶこの手帳とセット。日本の母子手帳の使い方とほぼ同じ感覚です。

日本の母子手帳も持っています

長女のときに、在蘭日本大使館で日本の母子手帳をもらいました。海外にいながら日本語の母子手帳に記録を残せるのは、将来日本に帰る可能性を考えると安心感があります。ただし今も配布しているかは分からないので、欲しい方は大使館に問い合わせてみてください。

Growth Guideには離乳食のレシピまで載っている

個人的に「へえ」と思ったのが、Growth Guideに離乳食のアドバイスがしっかり載っていること。写真は6〜7ヶ月ごろの1日の献立例のページで、にんじんペーストや洋梨バナナペーストの作り方(レシピ!)まで書いてあります。「野菜は混ぜずに1種類ずつ、味を覚えさせるため」なんてコツも。母子手帳というより育児ガイドブックに近い感じです。

検診と予防接種のスケジュール(長女と長男の実録)

オランダの乳幼児検診はconsultatiebureauで受けます。身長・体重の測定と発達チェックがあり、予防接種も基本的に同じタイミングで受けるワンストップ方式。国の予防接種プログラム(Rijksvaccinatieprogramma)に沿って進み、費用は無料です。

2人の記録を月齢ベースで1つの表にまとめました。

時期やること長女(2024年生)長男(2026年生)
妊娠22週〜(母親)百日咳ワクチン(22-wekenprik)妊娠23週で接種妊娠30週で接種(インフルエンザと同時)
生後まもなく聴覚検査/RSウイルス抗体注射(2025年〜)聴覚検査のみ(RSは制度なし)聴覚検査+生後2週間ほどでRS注射
1ヶ月検診
2ヶ月ごろ検診+ロタ1回目(飲むタイプ)
3ヶ月検診+ロタ2回目・DKTP-Hib-HepB・肺炎球菌
4ヶ月体重チェックこれから
5ヶ月検診+DKTP-Hib-HepB・肺炎球菌予約済み(もうすぐ)
8ヶ月検診これから
12ヶ月検診+DKTP-Hib-HepB・肺炎球菌(最終回)済(1歳を過ぎたころ)これから
14ヶ月検診+BMR・髄膜炎菌ACWYこれから
2歳検診これからこれから

DKTP-Hib-HepBはジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ・Hib・B型肝炎の6種混合、BMRははしか・おたふく・風疹。注射の名前が呪文みたいで、最初は手帳を見ても何が何やらでした。

表の1行目、妊娠中に打つ百日咳ワクチンは「22-wekenprik(22週の注射)」と呼ばれていて、生まれてくる赤ちゃんを生後間もない時期の百日咳から守るためのもの。母親がこれを打っていると、赤ちゃん自身の6種混合は3ヶ月からのスタートでよいことになっています(打っていない場合は生後6〜9週から)。

ちなみに、日本の予防接種スケジュールと見比べていて思ったんですが、オランダにはBCG(結核)・水ぼうそう・日本脳炎が無さそうですねー。国が違うと必要とされるワクチンも違うんだなあと、ちょっと新鮮でした(あくまで素人が眺めた感想なので、詳しくは公式でご確認を)。

2024年と2026年でここが変わった

長女と長男の記録を並べて気づいた違いは、調べてみるとちゃんと制度変更でした。

1. RSウイルスの抗体注射が加わった(2025年9月〜)

一番大きな違いはこれ。長男は生後2週間ほどでRSウイルスの抗体注射(ニルセビマブ)を受けました。

RSウイルスは、秋から冬に流行する風邪のようなウイルス。大人や大きい子なら普通の風邪で済むことが多いのですが、生まれて間もない赤ちゃんがかかると呼吸が苦しくなったり肺炎になったりすることがあり、オランダでは毎年1,500〜3,000人の赤ちゃんが入院しているそうです(RIVMの解説)。

長男が受けた注射は、正確にはワクチンではなく「抗体そのもの」を入れる注射。赤ちゃんが自分の体で抗体を作る必要がないぶん、打つとほぼすぐ効きはじめて、約6ヶ月間守ってくれるとのこと。2025年9月から国のプログラムに入り、2025年4月1日以降に生まれた赤ちゃんが対象です。RSシーズン中(10月〜3月)に生まれた子は生後2週間以内、4月〜9月生まれの子は9〜10月ごろにまとめて受ける仕組み。長女のとき(2024年)はこの制度自体がなかったので、受けていません。

RIVM(オランダ国立公衆衛生環境研究所)によると、導入前の2024-2025シーズンに178件あった乳児のICU入院が、導入後の2025-2026シーズンはこれまでのところ43件まで減ったそうです(RIVMニュース)。

2. ロタウイルスワクチンは長女が「導入1年目」だった(2024年1月〜)

ロタウイルスは、激しい下痢と嘔吐を起こす胃腸のウイルス。とても感染力が強く、下痢で脱水がひどくなると入院が必要になることもあり、オランダでは毎年約3,500人の子どもが入院していたそうです(RIVMの解説)。

このワクチンが国のプログラムに入ったのは2024年1月1日以降に生まれた子から。つまり2024年生まれの長女は、ちょうど導入1年目の世代でした。注射ではなく、口にぽたぽたと垂らして飲ませるタイプで、生後6〜9週ごろと3ヶ月ごろの2回。効果は3年以上続くそうです。

3. 接種時期が4つ動いた(2025年〜)

2025年から接種スケジュール自体も変わりました(RIVM発表変更点まとめ)。

長女の6種混合の最終回が1歳を過ぎてからだったのは、ちょうどこの切り替え時期にあたったからのようです。

まとめ

2年しか違わない姉弟でもこれだけ変わるので、この記事もあくまで我が家の実録です。最新のスケジュールは必ずRIVMの公式サイト(rivm.nlrijksvaccinatieprogramma.nl)でご確認ください。本記事は体験談であり、医療に関する判断はかかりつけ医・consultatiebureauにご相談を。

妊娠中の検診の流れは妊婦健診の記事、出産のことは長男の出産体験記にも書いています。長男の検診・接種が進んだら、この記事に追記していきます。