ハーグで第二子を出産(2026)|上の子あり妊娠・8分でうまれた長男の体験記

公開: 2026-07-14

長女の出産体験記はこちらに書きました。今回はその続き、二人目・長男の話です。

一人目と二人目、こんなに違うのか——というのが正直な感想です。お産自体はとてもスムーズで、いきんでいいよと言われて産まれるまでの時間はなんと8分でした。でもその8分に至るまでにはいろいろあって、それが今回書きたいことです。

上の子が歩き出した頃の妊娠

一人目の妊娠中は、とにかくつわりが大変でした。語学学校にも通えなくなって、しばらくは本当につらかった。

二人目のつわりは、ありましたが一人目ほどひどくはなく、生活は回せていました。体が慣れたのか、それとも上の子の育児の責任感からなのか——理由はわかりませんが、比較すると少し楽になっていました。夫の日本一時帰国で半月くらいいない時期もあり、その間ワンオペで回していました。

ただ「楽」とはいえ、今回は状況がまったく違いました。妊娠している間、長女はちょうど歩き出して、とはいえまだまだ危なっかしい&どんどん活発になっていく時期。追いかけても追いかけても止まらない子どもを、大きなお腹で追いかけて抱っこする日々でした。一人目の妊娠の時にあった「体調が悪い日は横になる」という選択肢が、二人目にはほぼありません。上の子がいると、休めないんです。

そしてもう一つ——つわりがあって体がしんどい時でも、長女のお世話はしなければいけない。十分に構ってあげられない日が続いて、申し訳ない気持ちになりそれがまたしんどかったです。

胎動については、長男もちゃんと蹴ってはいました。ただ、長女の時ほど印象に残っていないというか……正直なところ、長女が常にわちゃわちゃしていて、お腹の中の動きをゆっくり感じる余裕があまりなかったのかもしれないです。

健診の待合室が修羅場になった

妊婦健診についてはこちらの記事でオランダの仕組みを紹介しましたが、二人目の健診で一番変わったのは「長女を連れて行く」という現実でした。この頃、デイケアにはまだ通わせていなかったのと、近所に預けられる知り合いがいなかったような環境でした。

大抵は夫と長女と3人で病院へ。夫は英語のサポートもあって、待合室も診察室も基本的に一緒に入ります。

待合室では、長女はじっとしていません。退屈になると泣き出す、うろうろし始める、「自分に注目して」とばかりに声を出す——。仕方なくスマホでYouTubeを見せてなんとかしのぐ場面も何度もありました。

そして診察室でも3人で入るので、助産師と話しながら長女が動き回る、という状況でした。体調や検査結果の話を聞きながら、同時に子どもに目を向けていないといけない。「一人目の時がいかに集中できていたか」を、健診のたびに実感しました。

出産予定日を過ぎて、助産師に「お願い」した

長男の出産予定日が過ぎても、特に兆候なし。

予定日の翌日の健診で、助産師に膜剥離(membrane sweep)をお願いしました。子宮口に指を入れて卵膜を刺激する処置です。痛いといえば痛かったですが、「やってみましょう」とすぐに対応してもらえました。

その次の日の早朝3時頃から陣痛が来はじめ、夫へこの後来るかもました。

朝6時に病院へ。そして午前11時半ごろ、長男が生まれました。

8分でうまれた

産まれるまでの経緯を振り返ると、陣痛が始まってから病院に着くまでが約6時間半。そこから分娩体制に入り、最後の段階はたったの8分でした。

一人目の長女は、病院に着いてから生まれるまでに16時間以上かかりました(詳しくは長女の体験記に書いています)。あの長丁場を経験しているので、今回の早さには正直びっくりしました。

もう一つ印象的だったのが、担当者の違いです。長女の時は分娩途中で産婦人科医が担当を引き継ぎました。二人目は最初から最後まで助産師が担当——ベテランの助産師と、横で見ていた研修生の2人体制でした。医師がいないほうが、結果的にずっとスムーズだったのは少し不思議な気持ちでした(もちろん一人目には一人目の事情があったので、単純比較はできないのですが)。

羊水も清明で、胎盤も自然に出て、出血も少なく(200ml程度)——長女の時は出血が多くて心配されたので、こちらも拍子抜けするくらい順調でした。

バースプランを出したら「違う方法を勧めます」と言われた

病院に着いてすぐ、バースプランを渡しました。一人目と同じく硬膜外麻酔を希望する内容です。背中から管を入れて麻酔を効かせるやり方で、長女の時もこれでお産しました。

ところが助産師から「今の状態だと、硬膜外より点滴の方がいいかもしれない」と言われました。子宮口がすでに柔らかくなっていて、思ったより早く生まれそうだ、と。

提案されたのはレミフェンタニルという鎮痛薬を静脈点滴で使う方法です。麻酔科医を呼ぶ必要がなく、効き始めも早い。

最初は「でも希望は硬膜外なんですが……」と夫を通じて少し押し問答になりました。一人目の時に効果を実感していたので、同じやり方がよかったんです。でも最終的には助産師の判断を受け入れました。

結果、満足でした。

一人目の時は硬膜外麻酔で長丁場のお産になり、途中で麻酔量の調整が必要になったり、陣痛促進剤を使ったりと、なかなか大変な展開になりました。それに比べると、今回はお産の進み方が全然違ったので、適した方法を選んでもらえてよかったと思っています。バースプランは「希望を伝えるためのもの」であって、「必ずそうなるもの」ではないんだな、と身をもって感じました。

4キロ超えで、小児科医が来た

長男の体重は4220g。90パーセンタイル。「同じ週数の赤ちゃん100人並べたら、上から10番目に大きい」という意味です。

大きめだったため、産後に小児科医が診察に来ました。体が大きいこと自体は問題ではないのですが、一応確認、ということで。

その夜は産科病棟で一泊することになりました。長女の時も一泊しましたが、あちらは出血量が多かったための観察。今回は赤ちゃんの体重が理由です。翌日、母子ともに良好ということで退院しました。

入院中の病院の朝食では、青と白のmuisjes(アニス味の砂糖粒)がのったラスクが出てきました。オランダの出産祝いの定番で、「beschuit met muisjes(ベスカイト・メット・マウスイェス)」といいます。男の子は青と白、女の子はピンクと白。なんとも可愛かったです。

産後はクラームゾルフが8日間入ってくれました。これは長女の時と同じです。

出産当日と、翌日の帰宅

今回は私の両親がオランダに来てくれていて、本当に助かりました。

オランダの病院では、分娩室に入れるのは一人だけというルールがあります。長女の時は夫が立ち会い。今回も同じく、夫が病室に付き添い、長女は両親(祖父母)とお留守番になりました。1歳半になったばかりの長女、よく頑張ってくれました。

翌日、長男を連れて帰宅したとき——長女は困惑して、大泣きしました。それはまた別の話になるので今回は置いておきますが、彼女なりに精一杯受け止めようとしていたんだと思います。

ちょうどこの月から、長女は週1回の保育園も始まっていました。弟の誕生、保育園のスタート、祖父母との生活……1歳半の子にとって、変化が一気に重なった時期でした。

流れを知っているだけで、こんなに違う

一人目の出産は、何もかも初めてで、不安との戦いでもありました。「次に何が起きるかわからない」という感覚は、想像以上にしんどいものです。

二人目は、その不安がほぼありませんでした。検査の名前も、病院の動き方も、産後の流れも、なんとなくわかっている。「あ、これは前もあった」と思えることの安心感は大きかったです。

バースプランの変更も、もしかしたら一人目だったらもっと動揺していたかもしれない。でも「まあ、助産師さんがそう言うなら」と切り替えられたのは、経験があったからだと思います。

ゼロから始めた一人目の出産。一人目の経験があったからこそ乗り越えられた二人目の出産。どちらもよかったし、どちらも大変でした。


※この記事は個人の体験談です。医療行為・痛み止めの選択については担当の助産師・医師にご確認ください。