オランダ出産準備、いつ何を揃えた?部屋づくり・クラームパケット・入院バッグ【蘭語対照リスト付き】
公開: 2026-07-20
オランダで出産が近づいてきた頃、私が「これ、どうするの?」と何度も戸惑ったのが、出産準備そのものでした。日本と病院・産後ケアの文化がだいぶ違うので、渡されたリストを見てもピンとこないものが結構あるんです。
私は2024年に長女を、2026年に長男を、ハーグの病院で出産しました。この記事では、妊娠中の部屋づくりから、クラームパケット、入院バッグまでを時系列で、実際に用意したもの・用意してよかったものを、コメント付きの表でまとめます。後半には、日本人がだいたい一度は「何これ!?」となるクラームパケットの中身を、蘭語の対照リスト付きで載せました。
① 妊娠中:部屋・家具・乳児ケア用品・服をそろえる
まず取りかかったのが、赤ちゃんを迎える部屋づくりです。
長女のときは、夫の同僚からベビーカー・プレイパン・バスタブ、そして大量の子ども服をまとめて安く引き取れたのが本当に大きかったです。オランダは子ども用品のおさがり文化が根づいていて、こうして安く(ときには無料で)まわってくることがよくあります。ただ、チャイルドシートだけは新しくベビーカーと同じ会社のものを購入しました。
何をそろえるかは、産後ケア(クラームゾルフ)から渡された冊子の「必要品リスト」を基準にしました。長女のときもこのリストに沿って準備した記憶があります。
そしてオランダらしいなと思ったのが、妊娠32〜36週ごろにクラームゾルフの担当者が来てくれる面談(intake)。初めての出産や初めてオランダで産む場合は自宅訪問で、実際の部屋の状況を見ながら「ここにこれを置くといいよ」とアドバイスをくれます。リストとにらめっこするより、来てもらって部屋を見てもらうのが一番早かったです。
寝る場所・家具
| アイテム | コメント |
|---|---|
| Co-sleeper or ベビーベッド+マットレス | 生後6ヶ月まではCo-sleeper(新規購入)、その後ベビーベッド |
| 防水マットレスカバー | フランネル(“molton”)タイプ。汚れる前提で複数枚 |
| ボックスシーツ/上掛けシーツ | ベビーベッドのサイズに合うもの。各2枚あると回せて安心 |
| 毛布(フリース・ウールなど) | 薄めを数枚。赤ちゃんにデュベ(羽毛布団)は使わないよう案内されました |
| おむつ替え台(マット付き) | 腰への負担がぜんぜん違うので、あってよかった |
| おむつ用のフタ付きゴミ箱 | においがこもらないフタ付きを |
| バウンサー | どちらも任意。うちはあると助かりました |
乳児ケア・衛生用品
| アイテム | コメント |
|---|---|
| バスタブ(スタンド付き) | これは同僚から譲ってもらいました |
| ガーゼのおしぼりタオル(hydrofiel) | 4枚ほど。沐浴・拭き取りに万能 |
| フード付きタオル | 1〜2枚。湯上がりに |
| 湯たんぽ(kruik)+専用カバー(kruikenzak) | オランダ新生児ケアの必需品。詳しくはこの下で |
| げっぷ用タオル | 6枚くらい。授乳のたびに使うので多めに |
| 新生児用おむつ・おしりふき | まず1パックずつ。サイズアウトが早いので買いだめしすぎ注意 |
| 体温計 | 母親用と赤ちゃん用に。赤ちゃん用は 先の柔らかい直腸用(rectal, flexible tip) が指定でした |
| 消毒アルコール70%・無菌ガーゼ | へその緒のケア用。産後ケアのボックスに入っていることもあります |
| ベビーローション/お風呂オイル/おむつかぶれクリーム | 石けん不使用の洗浄ジェルやベビーオイルも |
| 赤ちゃん用の爪やすり | 小さな爪はハサミより、やすりが安心でした |
| 保湿クリーム(乾燥肌用) | 乳児脂漏湿疹とアトピーがあったため小児科にてアドバイスもらいました |
湯たんぽ(kruik)は「あると便利」ではなく必需品
日本だと湯たんぽは冬の防寒グッズですが、オランダでは新生児ケアの定番アイテムです。生まれたばかりの赤ちゃんは皮下脂肪が少なく、まだ自分でうまく体温を保てません。そこで産後1週間ほどは、寝るときに体温を下げないよう湯たんぽで温めてあげるのがオランダ流。ここは日本との大きな違いだと思います。
うちで使ったのは、アルミボトル型の湯たんぽ(bedkruik)。お湯を入れて専用のタオル生地の袋(kruikenzak)に入れ、ベビーベッドの中に置いておきます。細かい置き方(赤ちゃんから少し離す、フタを足元側に向ける等)は、クラームゾルフや助産師さんが教えてくれます。長女のときも長男のときも、実際にそれぞれ1週間ほど使いました。クラーム週間が終わるころには赤ちゃんが自分で体温を保てるようになってくるので出番は最初だけ。でも、その最初の1週間には欠かせませんでした。買うなら、お湯が漏れないよう密閉できる継ぎ目のないものがおすすめです。
赤ちゃんの服
| アイテム | コメント |
|---|---|
| ボディスーツ(ロンパース/肌着)6枚 | サイズ52/56(兼用のワンサイズ)が便利。汚れ替えが多いが、すぐサイズアウトするので3枚目以降は都度追加購入が良い |
| シャツ+パンツ or ロンパース 3〜6枚 | 同上 |
| 靴下 2足以上/ニット帽 2枚以上 | 頭と足先は冷えやすいので |
| カーディガン or ジャケット 1枚 | 退院・外出時の羽織りに |
| おくるみ | 綿100%の大きめのものが活躍します |
② クラームパケット(Kraampakket)とは?
オランダ出産で日本人がいちばん驚くものの一つが、この「クラームパケット」だと思います。
日本では産褥パッドなどの消耗品は病院が用意してくれることが多いですが、オランダではお産と産後に使う消耗品を自分で揃えておく必要があります。それがクラームパケット。初めてリストを見たときは、量と種類に「何これ!?」となりました。でも安心してください。このリストを一つずつ薬局で探して回る必要はなく、「クラームパケット」というセット商品にひと通り含まれています。
クラームパケットのリスト(日・蘭対照+コメント)
Etos や Kruidvat の棚でオランダ語がわからず固まらないように、対照表にしておきます。
| アイテム | 蘭語(英語) | コメント |
|---|---|---|
| 変性アルコール70%(50cc) | gedenaturaliseerde alcohol(denatured alcohol) | へその緒の消毒に |
| 消毒用ハンドジェル | desinfecterende handgel(hand sanitiser) | 新生児に触れる前後は手指消毒を、と念を押されました |
| ジグザグコットン(脱脂綿) | zigzag watten(cotton wool) | |
| お産用ナプキン/産褥パッド 2パック | kraamverbanden(maternity dressings) | 産後の出血用。大きめ |
| 生理用ナプキン(普通)2パック | maandverband “normaal”(sanitary pads) | 出血が落ち着いてきたら |
| 防水マットレスシート | matrasbeschermer(mattress protector) | |
| お産用マット | kraammatras(maternity mattress) | |
| お産用下敷き 10枚 | onderleggers(underpads) | 分娩時・産後に |
| 臍帯クリップ | navelklem(umbilical clamp) | |
| 無菌ガーゼ | steriele gazen(sterile gauze) | へその緒まわりのケアに |
| 産褥パンツ 2着 | stretchbroekjes(stretch pants) | 大きいナプキンを装着しやすいもの |
| 医療用粘着テープ | hechtpleisters(medical tape) |
どこで買う?
加入している保険によっては、保険会社がクラームパケットを送ってくれることもあるので(カバー内容は保険によります)、まずは自分の保険を確認してみてください。
……と書きつつ、うちは保険会社から届く予定だったのに、いくら待っても、催促しても届かず……。結局 bol.com でセット商品を買いました。「kraampakket」で検索すると必要なものがほぼ揃ったセットが出てくるので、一軒ずつ探し回るより断然楽です(ドラッグストアの Etos・Kruidvat でも個別に揃います)。保険で届く予定の人も、出産が近づいても届かないときのプランBは考えておくと安心です。
③ 出産直前:入院バッグを詰める(36週ごろ)
部屋とクラームパケットが整ったら、次は入院バッグ。妊娠36週ごろには、自宅出産を選ぶ人も含めて「万が一病院に行くことになっても大丈夫なように」バッグを準備しておくよう案内されます。
入院バッグ:母親用
| アイテム | コメント |
|---|---|
| 保険証・病院の診察カード | 忘れがちだけど最重要 |
| 分娩中に着る楽な服(大きめTシャツなど) | 汚れてもいい古着でOK |
| 靴下・スリッパ | 病室は冷房ガンガンで冷えます、スリッパは用意されていないので必要なら自分で用意 |
| 洗面・歯磨きセット | |
| 産褥ナプキン対応の大きめ下着 | |
| パジャマ/分娩後のくつろぎ服 | 前開きだと授乳が楽 |
| 授乳ブラ+替えの下着 | 手書きで追記してあったくらい、忘れやすい |
| スマホ・カメラ・充電器 | 生まれた瞬間や臍の緒カットを撮り逃さないように。充電器も絶対に |
| 1ユーロコイン | 病院の車椅子(カート)用にリストにあったけど、うちは結局使いませんでした |
持っていってよかったもの
| アイテム | コメント |
|---|---|
| リップクリーム/マッサージオイル | 分娩中、口も肌もとにかく乾きます |
| バスローブ | 病室から洗面に行くときに意外と重宝しました |
| お気に入りの音楽 | 私の出産BGMの話は長女の出産体験記に書いています |
食べ物はぜひ持って行って
病院から昼食・夕食は出ますが、夜食は出ません。フルーツやミューズリーバーなどのスナックを持っていくよう案内されます。自販機にも食べるものがあったので、空腹で本当に困ることはないと思います。
ただ、一人目のときは食べ物を準備する余裕がまったくありませんでした。長男のときは、おにぎりや夜食を私の両親が作って届けてくれて、本当に助かりました。病院の食事は基本パンだったので、産後の体にはやっぱりおにぎりが沁みました。他にもナシゴレン的なものやバターチキンなるものもメニューにはありましたが、産後クタクタの私の目には何も見えませんでした(笑)とりあえず、目をつぶっていても頼めるものか看護師さんがお勧めしてくれるもので頼みました。
入院バッグ:赤ちゃん用
| アイテム | コメント |
|---|---|
| 赤ちゃん服 2セット(サイズ52/56) | 各セット:ロンパース+ベビースーツ or 長袖パジャマ+靴下 |
| ベビー帽子 2枚 | 頭は冷えやすいので |
| おくるみ(baby wrapper) | |
| 温かいジャケット | 退院時の外気用 |
| チャイルドシート | 退院時に必須。うちはCybexを使いました |
| 哺乳瓶 | 任意。うちは二人目のとき持って行きませんでしたが、病院がボトルミルクを用意してくれました |
チャイルドシートがないと退院できない
退院時にチャイルドシートがないと、赤ちゃんを車に乗せて帰れません。陣痛が始まってから確認するのは現実的ではないので、バッグを準備するタイミングで車へのセットまで済ませておくのがおすすめです。車でない人はチャイルドシートがなくても大丈夫です。
サイズは「52/56」というワンサイズが便利
生まれたときの大きさは、産まれてみないとわかりません。オランダの新生児服には、52と56を兼ねた 「52/56」というワンサイズ があるので、これを選んでおくとサイズ選びで悩まずにすみます。
写真・動画について
分娩室での動画撮影は原則不可です(立ち会うスタッフ全員の同意が必要)。写真はOKでした。事前にパートナーと撮影の方針を話しておくとスムーズです。
まとめ:日本と特に違うところ
- 子ども用品はおさがり文化(同僚からまとめて安く引き取れて本当に助かりました)
- クラームパケットは自分で用意する(病院が全部出してくれるわけではない。ただしセット商品で一気に揃う)
- 産後1週間は湯たんぽ(kruik)で赤ちゃんを温める
- 産後ケアの担当者が妊娠中に家に来てくれる(部屋を見てアドバイスをもらえる)
- チャイルドシートがないと退院できない(車がない場合は不要)
- 夜食は出ないので食べ物持参(産後のおにぎり、おすすめです)
- 赤ちゃん服は「52/56」の兼用ワンサイズが便利
ちなみに、長女(7月末生まれ)と長男(3月末生まれ)は同じ病院で産んだのですが、病院の対応は驚くほど違いました。繁忙期のようなものがあるのでしょうか……。同じ病院でも「前回はこうだったから」がそのまま通用するとは限らない、というのは頭の片隅に置いておくといいと思います。
出産準備つながりでは、バースプランの記事もあわせてどうぞ。
なお、この記事は私の体験(2024年・2026年、ハーグの病院)に基づくものです。病院や産後ケア、保険によって準備リストや運用は違うので、必ず産院や担当者からの案内で最新情報を確認してくださいね。